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001 - ポートフォリオは履歴書じゃなくていい

履歴書はもうあるじゃん。このサイトは、それ以外のやつのため。

公開日 /

ポートフォリオってこれまでにいくつか作ってきたんだけど、振り返るとどれもだいたい同じことしてたんだよね。

これが名前です。
これが出身校です。
これが職歴です。
これが制作物です。
PostgreSQL 触ったことあるよって証拠に、技術ロゴ14個並べときます。

まあ、別にそれでいいんだけど。

ポートフォリオってそういうもんっしょ?

でも、このサイト作り直してるあいだ、ずっと同じとこで引っかかってた。

てか、履歴書もうあるじゃん。

何ができるかは、もう知ってるっしょ

仕事がらみでこのサイト見てるなら、たぶんもう俺の履歴書は見てると思う。

GitHub も見たかもだし。もう話したことあるかもだし。一緒に働いた誰かから話聞いてるかもだし。

俺がソフトウェア開発者なのは、たぶんもう知ってるよね。

「TypeScript 書けます」ってページ、もう一個いる? いらなくない?

昔からそうだったわけじゃないけどね。

キャリアの最初のころは、ポートフォリオはガチででっかい 「見て、ちゃんと作れるから!」 って看板じゃなきゃダメだった。

見せられる経験なんて何年分もなかったし。制作物が経験そのものだった。何か作れるって誰かにわかってもらうには、いちばん手っ取り早いのがだいたいこれ:

はい、これ作りました。

ぶっちゃけ、今でもそれは好き。だからこのサイトにも今も「制作」のページがあるわけで。

でも、ソフトウェア作れますって証明するのが、もうサイトの全部じゃなくてよくね?って思う。

いつからか、別のことのほうが気になるようになった:

俺って、一緒に働くとどんなやつなんだろ?

一緒に働くのは、履歴書じゃないし

実際にほかの開発者と働いてみてわかったことの中で、たぶんこれがけっこうデカい。

紙の上だとほぼ一緒に見える二人が、一緒に働くとマジで全然違ったりする。

同じ学位。同じスタック。似たような経験。

どっちもたぶん、チケットは閉じれる。

でも、それって誰かと働くことのほんの一部じゃん。

なんか変なもん見つけたとき、ただ気になるってだけで20分かけて仕組み調べちゃうのは誰?

テキトーにごまかさずに「いや、マジで全然わかんねー」って言えるのは誰?

誰かがずっと何かで詰まってるのに気づいて、一緒に見に行くのは誰?

誰にも頼まれてないのに、なんか違う気がするってだけで3時間かけて磨いちゃうのは誰?

てかもっと大事なのは、*これにもう3時間いらなくね?*って気づいて、さっさと出せるのは誰?

こういうのって、LinkedIn 向けに自分の二次創作書いてるみたいにならずに履歴書に載せるの、めっちゃむずい。

でも大事なんだよね。

一日8時間一緒にいる相手は、誰かのスキル欄じゃない。

ただのそこらへんのやつだし。

で、デスクをネットに置いた

うん。

ここに至ったのは、半分それのせい。

トップページを制作物と経歴の壁にする代わりに、クソでかいインタラクティブなデスクを置いた。

キーボードは、実際に俺が使いそうなやつがベース。

変なトラックボールはわざと。

好きなコンピュータがある。日本語がそこらじゅうにある。キャスター付きの椅子がある。俺はどうやらデスクの横に立ってるらしい。

どれも、別に役に立つ情報じゃない。

でも、ワンチャン役に立つのかも?

誰にも求められてないときに何を気にするかって、その人のことけっこうわかるじゃん。

このポートフォリオに3Dのデスクが必要とか、誰にも言われてない。

動くと変わるライティングとか、絶対いらなかった。

サイトをちゃんとバイリンガルにしろとか、誰にも言われてない。

深夜1時にずっと眺めてた小さいインタラクションがなんかしっくりこないからって、落とされることもなかった。

ただ、そういうのを作りたかっただけ。

半分は、かっこいいと思ったから。

半分は、どうやら俺は暇な時間をこういうのに使うタイプらしいから。

で、それって名前の下にまた React • TypeScript • Node.js って書くより、俺のことよっぽど伝わると思うんだよね。

全部最適化すんの、たぶんつまんない

開発者のポートフォリオはこうあるべき、みたいなアドバイスって山ほどあるじゃん。

制作物はファーストビューに。採用担当がすぐ経歴見れるように。わかりやすい CTA。5秒以内に技術スタックが見えるように。探させない。

で、まあ……

うん。

たぶん、いいアドバイスなんだろうね。

このサイトの目的がページビューを面接に変えることだけなら、もっとずっと効率いいやつ作れると思う。

でも、そのための退屈な書類はもうあるし。

履歴書っていうんだけど。

自分を表すはずのもう一個のやつまで、俺が何も残らなくなるまで最適化したくないんだよね。

デスク見て、いらなくね?って思う人もいるかも。

いらないよ。

俺がどのキーボード使ってるかとか、どうでもいい人もいるっしょ。

それはそう。

いきなりプロジェクトカード12枚ドンって並べる代わりに「制作」をクリックさせてる時点で、今どきのポートフォリオのセオリー的には何か損してるのかもしんない。

別にいい。

レスポンシブなグリッドにカード並べる俺のスキルに少し詳しくなるより、俺のことに少し詳しくなって帰ってもらうほうがいい。

だから、たぶんこのページもある

最初は「文章」のページで何したいのか、よくわかってなかった。

欲しいのはわかってた。

ただ、こういうの投稿するやつにはあんまなりたくない:

React アプリのパフォーマンスを37%上げた方法

ガチでいい技術記事書いてる、俺よりずっと頭いい人たちがいるし。

Vite のセットアップ方法の記事も、ざっと90億本くらいあるし。

もう足りてるっしょ。

それよりここには、ただ……書き残しときたいなって思ったことを置きたい。

ソフトウェアのことは、たぶん。

変なハードウェアのことは、絶対。

人と働くこと。デザイン。日本。道具。あってほしいから作ったもの。うまくいったこと。マジで全然うまくいかなかったこと。

3年後に読み返して、こう思うようなのも書くかもしんない:

こいつマジで何言ってんの

正直、それでいい。

ずっと正しく見えるように気をつけて書いたものの寄せ集めより、そのときどきで俺がどう考えてたかの記録であってほしい。

だから、このセクションはそういう場所。

決まったスケジュールはなし。コンテンツ戦略もなし。

書き残しときたいなって思ったことだけ。

このバージョンのポートフォリオのほうが採用されやすいのかは、わかんない。

でも、採用したらどんなやつが来るのかを見せるのは、こっちのほうがずっとうまいと思う。

俺はそっちのほうが好き。